タナトスの呪い

「終わり」が悲しいって残酷だね
僕らみんな悲哀のうちに溶けていくんだ

声も聞こえず色も見えず
それを悲しいと思えないなんて
辛いと思うのは「生」のエゴだ

暗闇と閃光の狭間に挟まれて
沈黙と絶叫の狭間に挟まれて
永遠を知った空っぽの体は何を思う?
始まる前の永遠を忘れた体は何を求める?

境界線の内側を科学して
結局神様の偶然にして
当たり前を受け流し
ただただその時を待ってるだけ

突然現れた足を歩かせて
考えた気になっているんだ
そうだ 全部
落ちるリンゴなんだ
転がる石なんだ
決まっていて 誰が決めたかも知らない
そういうゴールに近づくんだ

 

嗚呼、そんな死なねば治らぬタナトの呪いが
僕を悪夢から覚ましてくれない

為しても成らぬと言うのなら

生きている世界が違うから

感じている価値が違うから

歩き方も飛び方も違うから

だから貴方には追い付けない

わかっているのに

嫉妬が繰り返すのをやめない

どうにもならないのに

羨望が咽帰るのをやめない


そう考えてるうちに

別の方法で誤魔化すことに決めたんだ


お前はこれができない

俺はできる

すごいだろって


でも、そんなことやろうと思えば誰でもできるって

後ろから声をかける僕が一人

何かに秀でるよりも

人並で後ろ指を刺されないほうがいいかと思ってしまう


そうやって何も成せずに来たのは誰だ?

怖さと怠惰をはき違えて生きていたのは誰だ?

 

努力は貯金できない

使えるときに使わなければならない

わかってる

わかってるから あと少しだけ 覚悟に時間をください

次は明日駅

嫌いが拓いた新鮮な孤独
好きが塞いだ懐かしい夢

一人穏やかに過ごしたいのに
つまらない幸せに懐疑的になった火点し頃

扉が閉まる

心の優先席に座る他人の目

見て見ぬ振りをしてたけど
やっぱり居心地が悪いな

扉が開いた

 

塊でしかない本を片手にどこへ行こうというの?

ベルーガの浮かぶ夜

凪いだ空に海も少し落ち着いたようです。

こんなにも広くて、たくさんある夜の天井に

「俺は変わらずここにいるぞ」と言いたげな星がありました。

光で追いかけても400年を超える場所にある星

北の王子様

こぐま座α星のポラリスです。

北極星として知られている彼ですが

遠い昔と未来には別の誰かに役が変わるそうです。

永遠を称えたものでさえ

いつかは休まり、眠りへとつきます。

きっと、私達が急いでいるだけなのかもしれませんね。


一匹のシロイルカが跳ねました。

夜空にかかる水しぶき。

ほんの一瞬だけ照らされて広がったそれは

勝るとも劣らない輝きが確かにありました。

 

心ない形、形ある心

憐憫の情愛は贖罪へとすり替わり
同一性の叫びは地位や名誉に腐り果てていく

ただ貴方だけに求めた心の形なんて
一生出来続ける隙間にしかならなかったのだ

失わずとも感じる恐怖に足を掬われ
蝕む程に離れられない爆弾を抱える

神様、もしいらっしゃるのであれば
どうか、私達が最期に一対の大木へならんことを

Shoot Down the Sky

あの空を落とせたなら
夢も抱かずにすむのに
あの雲を落とせたなら
何も見えずにすむのに

 

あの空を落とせたなら
気まぐれもなくてすむのに
あの雲を落とせたのなら
誰も見えずにすむのに

 

あの太陽を落とせたなら
平等なんていう優劣 なくなるのに
あの虹を落とせたのなら
希望なんていう絶望 なくなるのに

 

あの空を落とせたなら

利息ゼロのご機嫌

ご機嫌を貯金できたらいいな

誰かに上機嫌を分けられないかな

その代わりに 自信と向上心を買えないかな

すり減らした分だけ どこかで歯車が回ってくれたらなんて

刺が無くなって上手く転がれたらなんて

言い訳がましい口もないよ

笑えば終わってくれる世界でないかな

嗤えば誰もいなくなる世界なだけなんだなこれが